なんだか、遠い昔の話のようだけど、御寿司職人という世界に生きていたときがある。
僕なんかは全然、高級店とかではなく、下町の出前中心の昔ながらの町の御寿司屋さんに住み込みからスタートして、庶民的な御寿司をやっていた。
でも、セントラルキッチンで仕込まれたネタではなく、東京築地市場から来た魚介類をお店で仕込んで提供していた。卵焼きやアナゴの煮付け、コハダの酢締めなんかも覚えたなぁ。
その後も料理業界に少しいたけど、御料理っていうのはけっこう自由なものなんだなというのが感想。美味しい食材なら、塩だけで美味しかったりもする。
複雑な料理をありがたがったりする人もいるけど、そういうのはその場に何が求められているかだと思うんだよね。簡単な料理は手抜きなんだろうか、違うよな。
僕も、何か凄い技術とかじゃなきゃいけないと思っていたこともあるけど、そこにいる人とどういう時間を過ごすのか、それで料理は決めればいいと思う。
そういう御寿司をお客様といっしょに楽しんで作る。それが楽屋における御寿司です。いままでのアドベンチャーの僕なりの答えです。
いっしょに気楽に作って、食べましょう。
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